ごあいさつ


坂川を開いた先人と自然の恵みに感謝しましょう

江戸時代、水運と宿場で栄えた松戸の町では、毎年夏の盛りに「とうもろこし市」が立ちました。

元々は松龍寺境内「すくも観音」の縁日ですが、松戸宿の人々には夏の風物詩として時代を超えて親しまれ、今なお続く伝統の行事です。この地を流れる坂川もきれいな水を取り戻し、松戸宿ゆかりの行事を盛り上げて行こうとする地元の機運も高まりました。

写真左:明治41年の江戸川渡船場
写真右:昭和初期「松戸名所絵葉書」より「角町通り」

とうもろこし市が立つ縁日には献灯が行なわれたという昔からの言い伝えにちなんで「献灯まつり」と名づけました。

坂川の流れに沿って多数の行灯や提灯を並べ、自然の恵みや坂川を開いた先人たちに感謝の気持ちを表す行事を催すこととなりました。昔からの「とうもろこし市」はもちろん、新たにとうろう流しや縁日屋台なども加えて、夏の夕涼みのひとときを多くの方に楽しんでもらおうと思います。

「川と歴史のある街」旧松戸宿一帯を散策し風情の残る街の再発見をお勧めします。

松戸宿を支えてきた坂川沿いに、およそ500mにわたって1000基の献灯が並びます。

古い街ならではの「なごみ」や「やすらぎ」「懐かしさ」を発見して頂きたいと思います。

昔の人達も日々の感謝の気持ちを込めて献灯をしたことに思いを巡らせてみましょう。


「すくも観音」「籾殻塚観音」の表記について

松龍寺観音堂に祀られる「籾殻塚観音」は、むかし松戸二丁目付近の水田に積まれた「すくも」(稲を脱穀した残りのモミガラなど)の中から示現したと伝えられ、その場所には現在「すくも稲荷神社」の祠があります。

古文書には「籾殻塚」の字が見られますが、現地ではこの漢字表記に関わらず「すくもかんのん」「すくもいなり」と呼ぶ例が多いので、この行事では「すくも」「すくもづか」の混在を容認し「籾殻塚観音」を「すくも観音」と表記しています。